きがるに書くログ

「マカロニグラタン」と同じアクセントです

ワン・オブ・ゼムになりたい(寄付月間によせて)

寄付というのは、すればするほど無力感を覚えるおこないである。必要とされているであろうお金の大きさを思うと、この程度の寄付が何になるだろうという気持ちが、寄付をするようになって五年経ったいまでも、チラッと頭をよぎる。

 

福岡県の北九州市に「抱樸」という困窮者支援のNPO団体がある。その抱樸が、かねてから大規模なプロジェクト(後述)を進めていて、この9月から資金調達のクラウドファンディングを行っていたのだけど、先日、一億円という目標金額を達成した。おれも少額ながら寄付していたこともあって、よかったなあ、という気持ちでいる。

クラウドファンディング実施期間中の抱樸のSNSを見ていて気がついたのは、「支援者が何人になりました」と、支援者の人数をよく発信していたことだ。金額ももちろん大事だろうけど、人数をとても大事にしているように思えた。

「一万人のひとが、あなたに死んでほしくないと、いま言ってますよ」と、理事長の奥田さんが以前おっしゃったのを思い出す。一万人以上の寄付を集めた2020年実施のクラウドファンディング(今回のとは別)の際に言われた言葉だ*1

この言葉に、寄付という行為が持つ「お金をあげること」以上の意味が表れている。もっと言うと、寄付をするときに、これっぽっちの寄付をしてもね、などとためらう必要はない理由が表れている。

寄付をすることは、だれかを気にかけることだ。だれかに寄付をするとき、我々はその相手に「気にかけています」と伝えている。

助けを必要としている人たちを(あるいはそうした人たちを支える人たちを)気にかける何百人、何千人、何万人。そのうちの一人になりたいと思って、おれは寄付をしているのだと思う。

 

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抱樸が進めているプロジェクトというのがこちら。物価の高騰で予定どおりに事が運ばなくて苦労しているらしい。うまくいってほしい。

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