きがるに書くログ

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『寄付白書2021』を素人が読んだら

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帯に「ファンドレイザー・研究者・メディア・行政の方、必携の書」と書いてある。どれでもないのに買ってしまった。

しかし、それでも読んでみると「へー」と思うことが多くおもしろかったので、素人なりに印象に残ったところをつらつらっと書く。

(寄付白書とは「日本ファンドレイジング協会」が刊行している、日本の寄付の実態調査の報告書のこと)

2020年に寄付を行った人は44.1%

日本ファンドレイジング協会のアンケートによると、2020年に寄付を行った人は44.1%だったそうだ。

この数字をどう見るかは人それぞれだろうけど、個人的には意外とみんな寄付してるのね、という印象。

ただ、44.1%というのは3つの寄付先カテゴリー(後述)すべてを合わせた数字で、多くのNPOが属すると思われる「カテゴリー1」は17.7%と、多いとは言えなさそうだ。

おれは某NPOにマンスリーで寄付をしているだけに「NPOの人たち頑張れ」みたいな気持ちがあるから、カテゴリ1への寄付が(「が」と言うか「も」と言うか)もっと増えればなと思う。

 

調査では寄付先の分野を以下の3つのカテゴリーに分けている(パーセンテージはそのカテゴリに寄付した人の割合)。

  • カテゴリー1(17.7%):まちづくり、緊急災害支援、国際協力など
  • カテゴリー2(26.8%):宗教関連、共同募金会、日本赤十字社自治会など
  • カテゴリー3(14.6%):ふるさと納税

2020年に寄付をした人の寄付金額

2020年に寄付をした「人数」と「寄付金額」についての調査結果は以下の通り。

  • 「総額」は1兆2126億円(名目GDPの0.23パーセントに相当)
  • 「推定人数」は4352万人
  • 「平均値」は37657円
  • 「中央値」は10000円

新型コロナ関連の寄付金額

新型コロナウイルス関連の寄付についても調査が行われている。

  • 寄付金額の「平均値」は26671円
  • 寄付金額の「中央値」は5000円
  • 寄付金額の「最頻値」は10000円
  • 2020年に新型コロナ関連の寄付を行った人の割合は8.7%

だそうだ。

過去の震災関連の寄付者率は30%~50%だったそうで、寄付者率は思ったよりも少ない。

寄付の手段は「手渡し」が最も多い  

寄付の手段で多かったのは、

  • 手渡し:32.2%
  • クレジットカード決済:25.5%
  • インターネット:21.7%
  • 募金箱:20.0%
    ( 「インターネット」にはクレジットカードやクリック募金、ポイント寄付などが含まれる。また、「クレジットカード決済」にはインターネットを介するものと介さないものが含まれている)

だった。なんと「手渡し」が最も多い。

おれはネット経由クレカ勢で「ネット経由の寄付しか考えられない」くらいの感覚でいたから意外だった。手渡しそんなに多いんですか。

「寄付したお金がきちんと使われているのか不安に感じる」:77.2%

寄付への考えについての質問で、「寄付したお金がきちんと使われているのか不安に感じる」に肯定的な人(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人)は77.2%だった。

これが個人的には一番の「ヘー」で、多いんだろうなとは思っていたが、思った以上に多い。

しかも2020年に金銭寄付をした人に絞ってもその割合は72.0%で、これまた思った以上だった(金銭寄付をしていない人は81.2%)。

本書にもあるように、この不安を解消して信頼を得ることが寄付を受け取る側の課題なんだろうけど、寄付をする側はする側で「積極的に信頼する」みたいな姿勢があるといいなと思う。まぁなんにしろ難しい話ですよな(うやむやな結論)。

 

以上!

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寄付白書2021

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