前回の記事に引き続き不健康な話でアレだが、先日、食事中に下唇をガッツリ噛んでしまい、その傷が立派な口内炎に育ってつらい日々を送っている。
下唇の口内炎は何を食べても痛むのだけど(それどころか何も食べなくても痛むのだけど)、それでも比較的食べやすい食べ物を発見した。「細巻き」である。
口内炎を痛めない食べ物の条件とはなにか。
いろいろあろうが、「一口サイズである」「やわらかい」「汁気がない」あたりが大事な条件だと思う。
①:一口サイズである
まずなにより、口内炎を患うものは、患部に物理的に食べ物を触れさせてはならない。たとえばハンバーガーのような、かぶりついて食べる料理はご法度である。ぽいっと口に放り込める一口サイズの食べ物が望ましい(患部が下唇でなく奥の方だったらあんまり関係ないかもしれない)。
②:やわらかい
つぎに、硬いものは噛んでいるうちに患部に刺さることがあるから避けるべきだ。刺さると誇張でなく悶えることになる。だから一口サイズでもポテトチップスや煎餅なんかは治るまで「おあずけ」である。
③:汁気がない
柔らかくても汁気というか、食材に絡んだソース(たれ)が脅威になることがある。とくに味の濃いソースは患部に触れると泣くほど痛い。だから一口サイズで柔らかくても、ソースが絡んだ料理は要注意だ。エビチリとか。
細巻きはこれらの条件をクリアしている。一口サイズで、やわらかく、汁気もない(醤油はつけたとしても少しだけだから問題ない)から、口内炎を刺激せず心安らかに食べられる。こないだスーパーで買った助六寿司を食べて得た知見である*1。口内炎が治るまでにもう一回くらい食べると思う。
……ということに先日気づいたわけなのだけど、もう一つ気づいたのは、かっぱ巻きという料理の面白さというか、不思議さというかである。
先述の助六寿司に入っていたかっぱ巻きを食べて「かっぱ巻きおいしいなー」と、なんとなく思っていたのだけど、考えてみると、これがおいしいって、なんかすごくないか?
「酢飯」と「きゅうり」と「海苔」の組み合わせなんて「淡白×淡白×淡白」である。材料からイメージする分にはおいしくなりそうもないのに、食べてみると意外とおいしいのが面白い。
どの食材も淡白だからこそ、それぞれの(控えめな)味がよく感じられるのだろう。「部屋が静かだと時計の秒針までよく聞こえるね」みたいな料理である。